『果歩?』
『ううん、なんでもない』
不思議そうに私を見る陽生に私は思いっきり顔を横に振った
勝手に勘違いしてたなんて、恥ずかしくて言えるわけないじゃない!
『本当に?』
『ほ、本当に何でもないから!!』
それでもしつこく聞いてくる陽生に、私は無理矢理話を変えた
『そ、それよりも陽生、もう寝たほうがいいんじゃないの?
熱、あるんでしょ!?』
『そうよ!まったり話してないでこれ以上悪くならないうちにあんたはさっさと寝ちゃいなさい!
今度またぶっ倒れても私はもう知らないわよ!』
ベッドの向かいに立つお姉さんも私の肩を持つように陽生に指摘してくれたので、うまいぐあいに話しが反れて助かった
『ああ、そうするよ、正直本当はかなりしんどい…』
そんな私達に即されて陽生は観念したのか、素直に頷くとベッドに横になった
陽生がベッドに入るのを見届けると、今度は陽生のお姉さんが私の方に視線を向けた
『あなたもずっと陽生といた訳だし、風邪の菌がうつってる可能性が高いから熱が出る前に薬、一応飲んでおいたほうがいいかもしれないわね
今年のインフルエンザはたちが悪いから』
お姉さんはそう言うと、薬渡したいからこっちに来てと、ベッドルームを出るように私を促した
『え、でも…』
躊躇する私に
『大丈夫よ、一応念のために、ね、ほら』
と念押しで言ってくるので
『…はい』
私はそんなお姉さんに素直に従うことにした
そしてお姉さんの後について行こうと陽生から離れようとしたその時、突然掴まれた私の手
ビックリして振り返えると
『お前も行くの?』
『へ?』
『ここに居てくんねーの?』
『え?』
私の手を掴みながら、いつもより弱った表情で見つめてくる陽生に思わず足を止めた



