甘い体温


『しょうがないわね、本当……』


そう言いながらも、女は陽生のおでこに手を当てると


『幸い明日は休みだし、今日と明日でゆっくり休んで早く治しなさいよ』


『ああ……』


呆れた声を出しながらも、陽生に優しい笑みを浮かべている


陽生もそれに答えるように、穏やか表情を女に向けていて


見るからに二人は親しい間柄なのが伝わってくる



やっぱりこの人陽生の…



そんな二人の光景を目の当たりに見せ付けられて、何故か胸がズキンと疼いた


静香と呼ぶ陽生の声も優しげで、そんな陽生に少し寂しさを覚えて、急に息苦しくなった


私なんかが入り込めない2人の雰囲気に、意味も無く苛立ちを感じはじめていて



『あの…』



いた堪れなくなった私は、思わず口を開いた


『私…なんか邪魔そうなので失礼します』


よく分からない苛立ちを抑えつつ、だけど少しとげとげしく二人に言葉を向けた私は、あからさまに視線をそらしてこの場から離れようとした


正直これ以上二人の雰囲気の中にいるのが絶えられなくて


一人だけのけ者にされてるみたいで、居心地の悪さを感じた


何よ!朝まで散々私と離れたくないなんて言ってたくせに!


意味分かんない


陽生のばか!


心の中でそう呟きながら、二人から背を向けようとしたら…




『『ぷっ』』




何故かベッドルームに笑い声が響いた