私はケータイを握り締めながら深いため息を吐いた
こういう感じなんかやだな…
子供の頃に感じた、何とも言えないような不安や寂しさがふとこみ上げてくる
いつ帰ってくるのか分からない母親をひたすら我慢しながら待ってた時の…あの感覚
不安と怖さと寂しさが混ざったやり切れない孤独感が私を襲う
あの日から……誰かを信じて待つことをやめたあの日から
もうこんな気持ちになることなんてないと思ってた
こんなふうにまた誰かの帰りを待つことなんてこともないと思ってた
久しぶりに味わうこの感覚
出来ればあんな思いはもうしたくない
…それなのに……
変な緊張が私を襲う
――…陽生ももう帰ってこないのかもしれない
そんなことが脳裏に浮かんでしまう
陽生に限ってそれはないと信じたい
だけど、陽生のこと信じようと思う気持ちの反面、どこかでまだ信じきれてない臆病な私がいる
時間が過ぎるたびにどんどん気持ちがマイナスのほうに傾いてしまう
『陽生のばか……』
不安にさせないって言ったくせに、さっそく不安にさせてどうするのよ…



