くすぐったいっていうか
安心感に包まれてる私がいる
何なんだろうこの感じ
鏡越しに映るキスマークの後を見つめながら、そっと指でなぞる
「例え仮の恋人でも今は俺のだから」
キスマークに触れた途端、陽生に言われた言葉が鮮明に甦り、体が熱くなる
俺のもの…か
陽生の思いが私の全身に埋め込まれてるような、そんなしるし
優しく私に触れる陽生の手、熱い唇、陽生の温かい体温を思い出してさらに私の体が熱を帯びる
頭から足のつま先まで私の体全部が熱くてたまらない
それと同時に自分の意思に反して、胸がぎゅっと苦しくなった
そんな鏡に映る自分の顔を見ていられなくなった私は、思わず体ごと鏡の前から逃げるように移動した
なんて顔してるのよ私は!
思わずベッドの上に用意して置いてあった自分の服を掴み、握り締めた
…どうかしてる…私
自分の心が自分のものじゃないみたい
必死に気分を紛らわそうとして頭を振っても、陽生が頭から出て行かない
全然消えてくれない
それどころか、消そうとすればするほど大きくなる
どうしちゃったの私?
これって…
正直認めたくないけど……
陽生の存在が私の心の中を自分でも気づかないうちに乱してく
私はモヤモヤした気持ちを必死で整理しながら
しばらくそこから動くことができなかった



