甘い体温



……すごい


私の口から漏れる声


大体の事には無関心な私でも、目の前に広がる光景に


ただただ目を見開いて歓喜の声をあげそうになってしまった



『そんな所で立ってないでもっと中に入れば?』



部屋の入り口の所で固まって動かないでいる私に男…陽生はすかさず声をかけた


陽生にせかされ部屋の奥に進むと、そこは……


大きなソファーとテーブル、テレビが置かれたとにかく広いリビングがあって


壁は大きな窓に囲まれていて、窓からは都心の壮大な夜景を一望できる造りになっていた


あまりのすごさに思わず息を呑むほど



『きれい…』



確かエレベーターが止まった階は30階だったっけ?


そう思いながら私は窓の傍まで行くと


窓越しから見える夜景に思わず見とれてしまった



『気に入った?』



陽生もまた私のすぐ隣に来るとふっと笑みをこぼす


『ここは角部屋だから、この2方向に囲まれた窓から外の景色が楽しめていいんだよ』


満足そうに微笑む陽生



『そうなんだ…』



まさか私がこんなところに来ることになるなんて夢にも思ってなかった


私には一生縁のないものだと思ってたから……


この部屋の隣にもベッドルームが別にあって、もちろんバスルームもある


ここって…俗に言う…



スイートルームってやつ?!