『ただの友達…だから…』
『ん?』
私は少しめんどうに思いながらも、一つ呼吸をするとたどたどしく口を開いた
『幼馴染っていうか…その昔の施設仲間っていうか…たまに連絡とったりするぐらいの…ただの連れだから』
『幼馴染?』
そう言って、私の顔からそっと手を離した陽生に、私は軽く頷く
『それに直輝とは別に何でもなければ、男として意識したこともないし
その……陽生が気にする相手じゃない、から…』
そこまで言い遂げ、陽生から気まずく視線を逸らした私
こんな風に相手の気持ちを配慮しながら誰かに言葉にしたのは初めてで
何となく照れくさい
てか、調子が狂う
世間一般の恋人同士はこんなめんどくさいことしてるんだろうか?
ふとそんな事が頭を過ぎる
まあ、でも、これで陽生の誤解が解けたのかは分からないけど…
だけど私なりにちゃんと言ったし、これでまだ何か言われるようものならもう知らない
勝手にすれば
そんなことを考えていたら、突然ポンっと陽生の手が私の頭に触れた
『良く出来ました』
へっ?
その言葉にビックリして顔を上げると、さっきまでの表情とはうって変わって穏やかな表情の陽生が私を見ていた



