甘い体温



『……直輝?』


話すタイミングを無くした私は不思議そうに直輝の名前を呼んだ


本当に今日は変かもしれない



『どうかしたの?なんか変じゃない?』


『……別に』



だけど私の心配をよそに直輝はその言葉以外、私の問いかけに答えようとはしなかった


そしてまたしばらく無言が続いた後




『三月…』



突然名前を呼ばれた


『ん?なに?』


『困ったことがあればいつでも言えよ』


『え?…あ、うん』



意味深な直輝の言葉に私はもう困惑気味の声を返すしかできなかった


そしてその後すぐに「じゃあな」と直輝は一言い残すと一方的に電話をきってしまった



『………』



電話がきられた後、私はケータイの画面を見ながら首を傾げた


結局なんだったんだろう直輝の奴?


何が言いたかったんだろう??


なんとなく後味が悪いんですけど…


変な奴だとは思っていたけど、今日はいつもに増して変だった


ま、あいつの事だからそんなに心配することないと思うけど…


変に気にするのはやめよう、直輝のことだ、1時間もすれば元に戻ってるでしょ


再び私は気を取り直し、ケータイを閉じてテーブルに置こうとしたその時、突然後ろから低い声が飛んできた



『直輝って誰?』