甘い体温


電話の相手は直輝だった


私が直輝の名前を口にした瞬間、少し離れて後ろにいる陽生がビクっと反応した気がしたけれど、あえて気にするのはやめて会話を続けた



『……何?』


今日は土曜日で学校も休み


土、日とかに直輝から連絡してくるなんて珍しい


てか、初めてかも、しかもこんな朝早くに


だいたい休みの日は女の家に転がり込んでることが多い直輝が何のようだろ?


てゆーか、最近直輝からやたら連絡来る気がするのは気のせい?


前まで滅多にお互い連絡なんて取らなかったのに…



『お前さ、今どこいんの?』


『え?』


そんな事を考えていたら突然直輝に問いかけられて、思わず言葉が上擦ってしまった


『え、何で?』


『いや…たまたまお前んちの近くまで来たから、少し顔出そうかなと思ったんだけど、
なんかお前の部屋の扉に修理中の紙が貼ってあったから、その…気になってさ』



ああ、なるほど、そういうことか



『あ〜あれね、ちょっと…いろいろあってさ、私の部屋いま修理してもらってんの』



私は少し濁した言い方で直輝に応えた


別に詳しく直輝に話す必要はないし



『は?何だよいろいろって?』



だけどそんな私をよそに何故か直輝は詳しく聞いてくる



『え?何って……え〜っと、空き巣とか?』


『はあ?空き巣!?空き巣ってお前……大丈夫なのかよ!?』



突然の直輝の大声に、思わずケータイを耳から離した私


こんなに驚いた直輝の声を聞いたのは初めてで


思わずこっちまで驚いてしまう


いつもは何に対してもクールな直輝なのに…


まあ、ことが事だけに驚くのは無理ないけど