甘い体温


陽生はそう言うとまた私をギュッと抱き寄せた



陽生……



『ほ…んとうに…私が必要?』



私は陽生の胸に顔を埋めながら、か細い声を出す


何故だか声が震えて旨く言葉に出来ない


『ああ、必要だ、すげー必要!だからさ、たまには俺の言う事素直に聞けよ』


陽生はそんな私をさらに強く抱きすくめる


『絶対損はさせないから、騙されたと思って俺を信じろ』


『……』


陽生の真剣な声が私の耳から体中に響く


その力強い声にもう気持ちが押しつぶされそうで


ギュッと瞳を閉じた




体が…熱い


苦しく、息が出来なくて


もう何も考えることが出来ないほど




…だけど……


この心地よさは何?


私の中からふつふつと湧き出てくるこの感情は何?



『は、るき……』


私はそっと陽生の体を押し返すと、名前を呼んだ


そんな私に気づいた陽生もまた、力を弱めると私の体を少し離した