甘い体温


『だったら一度、本気でちゃんと俺のこと見て欲しい』


陽生の手が再び私の頬に触れる


『……だ、だけどもし、それでも私の気持ちが変わらなかったら?
その時はどうするの?』


私は恐る恐る陽生を見た


『そーだなぁ…それでも果歩の気持ちが変わらなかったら…その時は……』


『…その時は?』


『俺を振るなり捨てるなりお好きにどうぞ』


『え…』



お好きにどうぞって…



『ほ、本気で言ってるの?』


『ああ…本気だ、俺はお前にはいつだって本当ことしか言わないよ』


『……』



…陽生……



いつになく真剣な陽生に、私は思わず俯いた


だけどすかさず陽生が両手でそんな私の顔を挟み、顔を持ち上げた



『果歩…お前が必要なんだ』



えっ?



『俺は何よりお前が必要なんだよ、だから……』



陽生の瞳が真っ直ぐ私を映し出す



『だから俺の傍にいてくれないか?てか俺の傍にいて欲しい』