甘い体温



『そ、そんなの無理…だよ』


私は必死に真っ白になった頭をフル回転させながら陽生の服を握り締めた



『果歩…』



思わず俯く私に、陽生が不思議そうに顔を覗きこむ


だけど私はそんな陽生の顔を必死に目を合わさないように背ける


陽生の顔がまともに見られない



『だって……』



これじゃあまるで


一緒に生きる意味探そうだなんて、こんなのまるで




――プロポーズされてるみたいじゃない




陽生の言葉が頭の中で何度も勝手にリピートして、動揺する私


そ、そんなの無理だよ、ムリムリ!絶対無理!


私は頭を横に振った


陽生が何を考えてそんなことを言ってるのか分からないけれど、突然そんなこと言われて


「はい、そうですか」て、素直に頷ける訳がない


第一、私達付き合っても無いのに


私の気持ちだってまだ曖昧なのに


てかなんで突然こんな話に…?


陽生は一体何を考えてんの?


途中までの陽生の話はそれなりに納得できた


だけど最後の言葉は理解不能


話ぶっ飛びすぎだから!


絶対ありえないから…


そんな事を私が必死になって考えてたら


目の前の陽生が突然フッと笑いだした