『ったく…本当に果歩ちゃんは素直じゃないな〜』
陽生は呆れたように口を開くと「ほら」と私の手にペットボトルを手渡してきた
『えっ』
『えっじゃない、そんな顔して別にはないだろ…よく言うよ』
案の定、やっぱり全てお見通しとでも言うように陽生は私を呆れ顔で見てくる
『俺、前に言わなかったけ?もう我慢するなって、果歩の思ってること全部俺にぶつけろって』
『…え』
『まあ、でも、果歩がどうしても言いたくないって思うなら無理に聞くつもりも無いけど、だけど、あんまり一人で溜め込むのは体に良くないぞ』
そう言うと陽生は私の頭をポンと叩く
『はるき?』
『辛いことがあるなら俺に言えばいい、誰かに話すだけでも楽になることもあるだろ?
それに、果歩に何言われようと俺はお前を嫌いになんかならねーよ
いいところも悪いところも全部ひっくるめて、お前のことは受け止めてやるから…』
頭に置いた手を今度は私の肩に回し、陽生はグイっと私を引き寄せた
『……』
体を引き寄せられた私は、戸惑いながら陽生を見る
『それに俺はどんなことがあっても絶対果歩を見捨てたりしない』
陽生は私を抱き寄せるとフッと優しくまた笑顔を向けてくる
『はるき……』
そんな陽生の笑顔に思わず胸が締め付けられて
何も言えず、無言で見つめ返すことしかできなかった



