甘い体温


なのに、陽生と会ってからどんどん自分が弱くなってる


今までの自分が壊れてく…


こんな弱い自分なんかいらないのに


誰にも頼らずに一人で生きていくって決めたのに


こんなんじゃあこの先が思い知らされる


やっぱり陽生が言うように人は一人じゃ生きてけないの…かな?


今だって、結局なんだかんだ言いつつも陽生に甘えてるのかもしれない


陽生のおかげで私は今こうして普通にご飯が食べれてるし、ちゃんと寝ることもできる


まともな生活が出来てる


結局人は頼ったり頼られたりしながら生きていくものなの?


悔しいけど、今の私は誰かに頼らなきゃ生きていけないのかもしれない



『はぁ…』



やり切れない思いが私の心を締め付ける




―――私は一体何の為に生きてるんだろう…







『果歩?』



そんなことを考えながらソファーに持たれかけたその時、突然名前を呼ばれて私は顔を上げた


『…陽生…』


『そんな所で何やってんの?』