甘い体温


頭ではそう思うのに、いざ果歩を目の前にするとまったく理性が効かなくなる


欲が俺を駆り立てて、あっと言う間に崩れ去っていく


一度触れてしまったのが最後


俺の火がついた欲望がもっともっとと、果歩を求めて歯止めが効かない


触れたくて、感じたくて、壊したくて


俺なしじゃ生きていけない体にしてしまいたい


大事にしたいと思いながら、俺の手で果歩を壊してしまいたいと本気で思ってる


かなり矛盾してる…俺


これじゃあ果歩に変態扱いされてもしょうがないのかもしれない



…つーか変態だよな



正直俺がこんなに我慢のない人間だなんて思わなかった


こんなに余裕がない男だなんて思ってもいなかった


こんな、大人気ない奴だったなんて…


果歩を目の前にすると今までの自分が完全に崩れ去る


人間って人を好きになるとこうも変わるものなのか?


こんな気持ちでみんな誰かを求めたりしてんのか?


やり切れない思いが俺を襲う


何故だか急に切なくなった俺は、果歩の顔を見つめ、そっと手で頬に触れた




なあ、こんな俺を果歩はどう見てる?


お前の瞳に俺はどう映ってんの?


俺は果歩の中に少しは入り込めてる?


少しはお前の中で俺は特別な存在になれてるのか?