『は？ちょ、果歩！？』
私の異変に気づいた陽生がビックリした声をあげた
自分の意思とは関係なく溢れ出てくる私の涙
もう自分でも訳が分からなかった
陽生はそんな私の肩を掴み少し離すと、私の顔を覗きこむ
『悪い果歩俺、別に果歩を泣かせたい訳じゃなくて…
その…なんて言うか…参ったな…』
かなり動揺した様子の陽生の声
次から次に出てくる涙を親指でそっと優しく拭っては、心配そうに私に声をかけてくる
だけど完全に壊れてしまった私は、陽生が優しく触れるたび、
声をかけられるほど私の涙は加速して、さらに収拾がつかなくなる
そんな私の様子にいた堪れなくなったのか、陽生は私を抱きすくめた
『ごめん果歩…俺が悪かった、本当ごめん…だからさ…もう泣くなよ』
ギュッと私を抱く腕に力を入れ、陽生は私の頭をあやすように撫でる
そんな陽生の体にすがるように私も腕を回すと、陽生の体に強く抱きついた
もう、苦しくてしょうがなかった
陽生が私に優しくすればするほど苦しくなる
優しく触れられるたびに胸が締め付けられる
陽生の思いが体中に突き刺さって痛い
どうして…？
いっそのこと、このまま陽生を受け入れれば楽になるの
何も考えずに陽生を信じて飛び込めば何かが変わるの？
