甘い体温


優しく私の頬を撫でる陽生


陽生の熱く火照った手から体温が伝わって、私の顔が熱を帯び始める



『かほ…』


そんな私に陽生は囁くような声で私の名前を呼ぶと、もう片方の手でさらに私の体を引き寄せた



『俺以外の他の男のことなんて考えるなよ』


『え…』


『俺のことだけ考えてろよ…』



陽生はそう痛みをこらえるように呟き、私の額に自分の額をくっ付けた



『は…るき?』



私はその瞬間、たまらず陽生の胸の辺りを強く握りしめた


こんな寂しそうな陽生を見たのは初めてで


私は苦しさのあまり目をギュッと瞑った


今まで感じたことのないほどの息苦しさ


陽生の吐息が私の顔にかかるたび、苦しさが増す


もう自分では理解ができないほどの、切なさと苦しさに襲われて


それと同時に何故か耐え切れなくなった私の瞳から、生温かい涙が不意に私の頬にこぼれ落ちた