甘い体温


――ガチャ


そんな時、ベッドルームのドアが開く音がして思わず体が強張った



『果歩?』



陽生が私の名前を呼びながら、ゆっくりと私の方へ近づいて来る


私は身動きをせずに、そっと息を潜めてうずくまる


陽生の足音が近づくたび、変な緊張が私を襲う


陽生は私の所まで歩み寄ると、そっとベッドの端に座った


その瞬間、ベッドがギシッと音を立てて軋んだのと同時に、私の背中越しから声をかけた



『本当どうしちゃったんだよ…今日の果歩変だぞ』



その言葉と共に、私とさらに距離を縮めてくる


『それに嘘つきって…俺がいつ嘘ついたんだよ…
俺、果歩には嘘ついたことないんだけど…』


そんな陽生の呼びかけに私は背を向けたまま、だんまりを通す


『なあ…果歩…』


すると、不意に陽生の手が伸びてきて私の頭に触れた


陽生の手の感触に思わずビクっとしそうになっったけれど、陽生に悟られないように必死に堪えた


そんな私の様子に、背中越しから陽生のため息が聞えてきたと思ったら、


私の頭を撫でてた陽生の手が、ピタッと止まった



『そんなに俺のこと嫌い?』