甘い体温


『嘘つき…』


『え?』


気づいたら無意識にそう叫んでいた



『嘘つき、あんたなんか大嫌い!!』



私はバンッと思いっきり立ち上がり、陽生の顔を見る事無く、その場を離れた


私が立ち上がった衝撃で椅子がギギッと音を立てて倒れそうになる



『ちょ、え?果歩!?』



突然の私の行動に、陽生の驚く声が私を呼ぶ


けれど私はそんな陽生を気にも留めずに、ベッドルームに駆け込んだ




――最悪だ私




ベッドにバタっとなだれ込むように倒れると、体を横に丸めてうずくまった


本当何やってるんだろう、私


こんな子供じみたことして


陽生に八つ当たりみたいなことして


バカみたい


別に陽生が誰とどこで何してようと私には関係ないじゃない


関係ないのに、なのになんでこんなに気になるの?


なんでこんなに不安なの?


分からない


こんなの私じゃない


こんな感情今まで感じたことがない


なんなのこの気持ちは



もう自分で自分の気持ちが理解できないよ