『……』
『果歩じゃなかったら今ここに俺はいないし、いたいとも思わない
それにこうやって一緒にいたいと思う女なんて、俺には果歩以外に他にいないけど?』
一ミリも私から視線をそらすことなく、私を真っ直ぐ見つめる陽生
『だからごちゃごちゃ変なこと考えてないで、お前は安心して俺と一緒にいればいいんだよ
…てか俺といろよ…』
少し切なげで、だけど穏やかな表情に戻った陽生の視線
その視線に耐え切れなくなった私は、思わず俯き、箸を強く握り締めた
なに?
この感じ?
はっきりと何の迷いもない陽生の態度に何故か安心してる私がいて
スッと力が抜けて、楽になるのを感じた
なんで陽生の一言にこんなにホッとしてるの?
どうして?
でもそれと同時にまた、ジュエリーショップから出てきた陽生の光景が不意に頭を過ぎる
じゃあ、あのスーツ女は誰?
どういう関係?
再び私の中で疑問とモヤモヤがふつふつと湧き出てくる
なんかやだ…何なのこの気持ち
もうやだよ!



