甘い体温


別に陽生が誰と何してようが私には関係ない、興味もない


そうだよ


私には関係ない


そのはずなのに――…





『どうかなさいました?』


後ろから突然声をかけられて、思わず体が強張る


振り向くと、後ろには不思議そうに私を見るホテルの従業員の姿があって


『ご気分でも悪いんですか?』


『え?…いえ』


『それではなにかお困りですか?』


ロビーでたたずむ私に、心配そうに声をかけてくる


私はそんな従業員に一瞬動揺しながらも、何事もなかったように冷静を装おった



『いえ、特に…なんでもないです…』



そう告げると、私は慌ててカードキーを差込口にピッと差し込む



『本当に大丈夫ですか?』



念押しで聞いてくる従業員に「はい」と答えると、すぐさまドアに手をかけた


「そうですか、では何かお困りの事があればすぐに言って下さいね」と言う従業員に私は軽く会釈をすると、ドアを開け、部屋の中に足を踏み入れた









『果歩』


部屋に入ると案の定


待ち構えてたかのように、陽生の声が聞こえた