だってそこには
店から出てきた陽生の隣にはスーツ姿の女がいて
なにやら楽しげに歩いていた
女はビシッとスーツを着こなしていて肩までの落ち着いたブラウン系の髪を綺麗に巻いていて
ヒールの似合うまさに
大人の女って感じの人
背もモデル体系で、遠目から見てもいかにも美人、と言う言葉がピッタリ
見た感じ陽生と同じぐらいの年齢に見える
陽生もまんざらでもない態度ですごく親しそうな雰囲気
陽生達は私に気づくことなく、路駐してある自分の車へと向かう
そして私はというと、何故か時が止まってしまったかのようにその場から動けずに、2人が車に乗り込む姿をずっと目で追っていた
……ふ〜ん
そういうこと?
な〜んだ
ちゃんとそういう人いるんじゃない
私はそう思いながら、不意に視線をずらした
陽生が出てきたそこは、有名なブランドのジュエリーショップで
普通、どうでもいい人となんかとこういう店に来たりしないよね?
うん、私だったら絶対に行かない
陽生の性格からからしてもたぶん…
てことは2人はそういう関係ってことだよね
ビクッ”
その瞬間、突然冷たい風が私の体に突き刺すようになびいて、一気に体温が奪われる
『な〜んだ…そういうことか』
陽生の車があった場所にもう一度目を向け、ポツリそう一人呟いた私は、元来た道を無意識に歩き出していた
私の意志とは関係なしに進む私の足
冷たい風が私を突き刺すたび、感じるたび
何故だか急に言いようのない寂しさがこみ上げて
一人置いてかれたような、残された気分に襲われていた



