甘い体温


なぜか目をキラキラ輝かせて、私を見てくる後藤



な、何!?



私は背筋がゾクッするのを覚え、思わず彼女の手を振り払った



『悪いけど私、女相手する趣味ないから』


『えっ』



なんとも言えない空気に絶えられなくなり、首を傾げる彼女に私は冷たく距離をとった


けれどそんな私を一瞬ポカ〜んと見つめる後藤


そして次の瞬間、後藤は突然可笑しそうに笑いだした



『あはは、違う違う!そんなんじゃないから!!あはは
心配しなくても私だって女相手にする趣味ないし

それに私彼氏いるし…いたってノーマルだし…きゃはは、面白すぎ!!

三月さんて以外と面白いこと言うんだね!!』


涙を浮かべながら大笑いする後藤に、思わずかぁ〜っと恥ずかしくなって、顔が赤くなる



……この女



だったら紛らわしい態度とるなっつーの!!


私とした事が、大恥かいたじゃない!


私はものすっごく不機嫌に後藤を睨みつける



『はは、でもね、ずっと三月さんが気になってたのは本当』


『え?』



やっとのことで笑いをこらえた後藤が、不意に私を見る



『あの、そのね…言いにくいんだけど…えっと、三月さんも確か、親いなかったよね』



後藤は私の顔を覗うように、恐る恐る尋ねてくる