…お礼にご飯?
その言葉の意味をすぐに理解した私は、眉間に皺を寄せた
…何それ
それってつまり
この男もいい人そうに見せかけて、はなからこれが目当てだったってこと?
『あんたもさっきの男と同じって事?』
私は男を鋭く見据えて冷たく問いただした
結局、男なんて…大人なんてみんな同じ…
『さ、それはどうかな?
俺は別に君を誘拐するつもりはないけどね』
そんな私に男はふっと顔を崩すと意味ありげに笑う
『ただ純粋に君と一緒にご飯が食べたいと思っただけだよ』
『あっそ…』
うさんくさっ
涼しい顔して頭の中では一体何を考えてんだか…
今までの男もみんなそうだった
顔は整って綺麗な顔してるけど…
こういう紳士ぶった男が私は一番キライだ
『お礼してくれないの?』
そんな私を無視して楽しそうに顔を覗きこんでくる男にため息をこぼした
はぁ〜…
もう、何でもいいや
めんどくさい
この男が何を考えてようが私にはどうでもいい
ご飯食べさせてくれんならこっちも丁度いい
『何食べさせてくれんの』
私はそっけなく答えると男の誘いにのった



