甘い体温


『だからなに?』


すごく慌てた彼女に押し切られた私は、渋々またソファーに座り直した


『えっとだからね、私別に椎名先生を好きとかそういうことが言いたいんじゃなくて…

いや、でも好きだけど…だからと言って恋愛として好きとかじゃなくて、その人間として好きっていうか…何て言うか

つまり私が何を言いたいかって言うと

私、椎名先生のことを尊敬してるの!!』



『……』


『……』



一瞬沈黙になる空気


あまりの彼女の必死さに、私は呆気にとられるしかできなくて



『そ、それはよかったね…』



私はソファーのギリギリまで横にずれると、興奮気味の彼女と距離をとった


だから何?


この女の行動が分からない


わざわざそれを私に言う意味が分からないんだけど?


てか、陽生を尊敬?


ますます意味が分からない


そんな困惑気味の私の表情を見て彼女は一呼吸し、少し落ち付きを取り戻すと


再び私の隣に座り直、不意に真剣な面持ちで話し始めた



『私ね、椎名先生に何度も命救われてるの』


『え?』



驚いて目を見開いた私に、彼女は穏やかな表情で微笑みかけた



命って…?



何故か寂しそうな面持ちで頷いた彼女は一呼吸し、再び口を開いた



『あのね私、結構前から椎名先生の病院でカウンセリング受けてるの』