甘い体温


『三月さんって、椎名先生と付き合ってるの?』


『えっ?』


『この前偶然三月さんと椎名先生が一緒に車にいるの見かけちゃって』


そう言って、彼女は私の表情を伺うようにじっと見つめてくる


向けられる真剣な眼差し


その表情で何となくこの後藤とかいう女が何を言いたいのか悟った私は、そっと肩の力を抜いた


『…別に付き合ってないけど?』


私はそっけなく彼女に告げ、視線をずらし、紅茶の缶の栓をカチっとあけた


そして彼女の視線を無視して紅茶に口を付ける



『付き合ってないのにキスするの?』



ゴホっ



突然の彼女の言葉に、思わず口に含んだ紅茶を吐き出しそうになった



……今なんて?



『いや、そのあのね、偶然たまたま見えちゃったてゆーか、なんてゆーか…その』


私の表情をみた彼女が、何故かほろうするかのように慌てだす


そんな彼女を少し不機嫌な顔で睨みつけた私



『…だったら何?だからってあんたには関係ないと思うけど?
それとも何?あんたもひょとして陽生ねらい?』



この女も私に陽生のこと紹介しろ、とか、女関係調べろとか、そう言いたいわけ?


『悪いけど陽生のことが聞きたいなら私には関係ないから、他をあたってくれない?』


冷たく突き放し、立ち上がろうとしたら


『ま、待って!ち、違うの!そうじゃなくて!』


私は思いっきり後藤に腕を掴まれた