甘い体温


『あっ…』


私は指差された自分の腕を見て驚いた



『ほんとだ…』



手首に赤く掴まれた後を見て顔を歪める私



……あの男



女相手に力加減を知らないのか


ったく…私は呆れて溜息を吐いた



『手当てしないとな』


『え?』



すると何故か私の腕を優しくなぞりながら男が笑いかけてくる



『…別にいいよこんなの…ほっとけばそのうち直るし』


『そっか…じゃあ……助けたお礼…』


『はっ?』



その言葉に私はまた男に視線を戻す



『助けたお礼にご飯でも付き合ってよ、腕の手当てもしたいし』


『えっ?』



そう言うと何故か男は爽やかな表情で私に微笑みかけた