甘い体温


『悪いけど私は一人でゆっくり寝たいの!』


私はとびっきり不機嫌な顔で陽生を見つめる


『どうした?昨日はそんなこと言わなかっただろ?』


だけどそんなことはお構いなし、陽生は不思議そうにそんな私を見つめるだけで


『だって昨日は…』



昨日は確か


空き巣事件とかあって、もうここに帰って来た時には疲れ果てていて


風呂から出て、すぐベッドになだれ込むようにして寝ちゃったんだよね私


そしたら陽生が何故か、後から同じベッドに入ってきたのに気づいて


抗議したかったんだけど、あまりの眠気に負けてまた寝ちゃったのをかすかに覚えている


『だからって昨日は昨日!今日は今日!
それに言わなかったんじゃなくて、言えなかったの!!
第一私は一言も一緒に寝ていいなんて言った覚えはないから!!』


そうスパッと言い放つと私は陽生に隣のベッドに行くように指をさした


『うん、でも俺は果歩と同じベッドで一緒に寝たいから♪』


そう言って爽やかな笑顔を向け、私の手を握ってくる陽生に負けじと私も言い返した


『私は嫌!寝たくない』


私は一人で誰にも邪魔されずにゆっくり寝たいの!


なんであんたなんかと……


…だけど……



『じゃあ俺も嫌』



案の定、負けじと陽生も私に言い返してくる


……。


何となく予想していた陽生の言葉に、ため息とイラつきが増していく


睨みを利かせた私と、陽生の視線が嫌なほどぶつかり合う