呆れた……


私はもう呆れ顔で陽生を見つめていた



『そんなこと聞いたことないし、ていうか、言っとくけど私達はあくまでも他人だから、他人!!
誰が奥さんだって?ありえないから!
そこのところ間違えないでくれる!!』


てかまず、付き合ってもないから!


『はは、なんだよ照れるなよ、いずれは未来の旦那様になるかもしれないだろ?』


『それはない!絶対ないから!!』


神に誓っても絶対ない!!


ったく…どっからその自信がでてくるのよ


私はもう心底呆れながら陽生を睨みつける


だけど陽生はそんなのお構いなしに、突然私の手をグイッと引っ張る


『ほら、もっと近くに来いよ、そんなに離れてたら寂しいだろ?』


『……』


そう言うと、陽生は私の体を引き寄せる


そんな陽生の行動に私はもう当たり前かのように溜息を零すしかできなくて……



はぁ……



『どうぞ、もう勝手にすれば』



もうどうにでもして…


店内に、私の嘆き声がポツリ、消えていったのだった









『ねぇ、これ、買いすぎじやないの?』


車に荷物を詰め込む陽生を見ながら思わず呟く


『ん?そうか?』


『そうかって…これ』


陽生が車に詰め込んだのは買い物袋が全部で3つ


3つとも食材がパンパンに詰められていて


どう見ても2人で食べるには多すぎでしょ!?


『大丈夫だって、これ一週間分の食料だから』


『一週間分っていったって、これはちょっと多すぎない?
て、ん?…ひょっとしてこれから毎日ご飯作るつもり!?』


『ん?そのつもりだけど?』


平然と当たり前のように応える陽生に、少し目を丸くした


『果歩のために愛情込めて作るから期待してて♪』


そう言ってまた笑顔を向ける陽生に私は


『ま、せいぜい頑張って…』


気のない返事を返したのはもう、言うまでも無い


私はご飯なんかじゃ絶対落ちないけどね


そう心の中で呟くと、陽生を無視してさっさと車に乗り込んだ