甘い体温



『てかさ、あの男はやめたほうがいいと思うけど?』


『『え、何で??』』



私の言葉にみんながいっせいに食いついてきた



『何でって…あいつ…どうしょうもない変態だし』


『『えっ』』



あの男の変態度は救いようがないからな…



『だからあの男はやめといた方が…』


『な〜んだ!そんなこと!』


『えっ』


『何かと思ったらそんな事?

別にそんなことなら全然気にならないし
むしろ椎名先生みたいな変態なら喜んで襲われてみたいぐらいだよ♪

ねー、キャァキャァ♪』



『……』




あ、そうですか……


それならもう、勝手に言ってれば


私は知らないよ


私はキャアキャア盛り上がってる連中を無視して、教室をさっさと抜け出した


やってらんないよ、まったく…


どうもあの無駄に高いテンションについていけない


騒ぐのは自由だけどさ


私を巻き込まないでもらいたい


あ〜なんか、今のでまたどっと疲れた感じ


今日はもう、1限目はサボろうかな


うん、そうしよう


ほとほとやる気が失せた私は、そのまま屋上へと足を向けた






バタン!


屋上に来ると私はいつものお気に入りの場所に腰を下ろした


『う〜ん。やっぱりここは誰もいなくて落ち着く…
今日は風もなくいい天気だし、それでもやっぱり早く春にならないかな〜』


そしたらもっと居心地がいいのに


そんな事を考えながら伸びをしたその時――…


ブルブル!


突然スカートのポケット中の携帯が、小刻みに振動し始めた