甘い体温


その言葉に私はセミロングの女に首を傾けた


『あ〜あの、綺麗な女の先生でしょ!』


『え、女医?』


『椎名先生の病院で一緒に働いてる人だよ』


私の困惑した顔を見たセミロングの女がそう付け加えた


『一緒に働いてる人…?』


そんな人あの病院にいたっけ?


『そうそう、めっちゃ美人でスタイルもいいんだよね
おまけに優しいし、まさに大人の女って感じ』


『…ふ〜ん…そうなんだ…』


そー言えばこの前


陽生がそんなようなこと言ってたっけ?


家の病院にはもう一人ドクターがいるって……


ドクターって言うからてっきり男だと思ってたけど…


女の人だったんだ……


ふ〜ん…女医さんね…


今まであの病院には2回しか行ったことないし、それに2回とも診察は陽生だったから全然気づかなかったな


まぁ、陽生が誰と仕事しようが私には関係ないし、興味はないんだけど……



『ねえねえ三月さん、椎名先生と知り合いならそこのところ聞いてもらえない!』


『は?』


『先生に彼女いるか聞いてきてよ』


『え、やだよ…私そんなの興味ないし』


『そこをなんとかさ〜お願い!』


顔の前に手を合わせるセミロングの女


そんなの知らないよ


何で私が陽生の女関係いちいち聞かなきゃいけないのよ


そんなのは自分達で勝手にやればいいでしょ


第一私には関係ないし