甘い体温



『あ、ちょっと!気安くブラウンに触らないでよ!
変態がうつるでしょ!!
それに勝手に変な名前で呼ばないでくれる!?』



ブラってなによ!?


変なふうに名前を略さないでいただきたい!


私はブラウンを奪うように抱きかかえると咄嗟に陽生と距離をとった



『…変態変態って…お前ねぇ〜』



そんな私に陽生は呆れたように見つめてくる



『はぁ…果歩…それはちょっと酷いだろ
さすがの俺も傷つくんだけど…?』



陽生は拗ねたように溜息をを吐いた


よく言うよ



『そんなの自業自得でしょ?』



もとはと言えばあんたが悪いんじゃない


勝手に傷ついてれば?



『じゃあね、ブラウン行ってくるから、いい子に待っててよ
くれぐれも変態のお・じ・さ・んに関わっちゃダメだからね』


私はわざと陽生に訴えかけるように、嫌味っぽく言ってやった


そしてそのまま立ち上がり部屋の入り口まで歩きだす



『ったく…はいはい、いいよもう変態のおじさんで……
勝手にどうぞ、ブラお前は後で遊んでやるからな』



そんな私に陽生は心底呆れ顔


負けじとブラウンに話しかけている始末で……



『ほら!行くぞ果歩!』



すると突然、私の手を掴んだ陽生


『えっ』


驚いた私に、陽生はおもむろに車の鍵を手に持つと、私の手を引いて歩きだした


『え、ちょ…!?』


ビックリした私は慌てて陽生に声をかける


『行くってどこに?』


『学校まで送ってく』


『えっ』




……えっ?