陽生は楽しそうな声で私の耳に囁きかける


行かせないって…


『はぁ?ちょっとっ!寝ぼけてんのあんた!?』


『うん』


うんって…この男……


『もうやだ!バカ!変態!!いい加減にしてよ!!』


私はさらに体を捻りながらばたつかせた


『果歩暴れるなよ…さみぃじゃん』


けれど陽生はそんな私をさらにがっちり抱きつくと私の動きを押さえ込んでくる


『ちょっ…やだってば!!』


もうなに考えてんのよこの男は!


本当にうざい!



『てゆうかあんただって今日仕事でしょ!?
早く起きて支度しないとまずいんじゃないの!!』


『う~ん…今日はうちの病院休診日だから大丈夫、安心しろ』


『え?』


『特に今日は会合もないし俺一日フリーだから』


陽生はそう言うと、私の肩に顔を埋める



あ、そうですか…


そりゃよかったね


て、私には関係ない!


そんなことは関係なくて……



『そんなことより果歩…』


『え、ひゃっ!?』



その言葉と共に突然耳だぶを舐められ、ビックリして思わず変な声をあげてしまった


『ちょっと…何す……』


『昨日は結局出来なかったし、今からしようか?』



――へっ?