甘い体温



『ちょ…んんっ!』


いったい、何がどうなってこうなったのか


嵐のような陽生のキスはいつまでたっても終わる気配が無く


いつの間にか、私の体は助手席側のシートに強引に抑えつけられていて


運転席から体を乗り出して、私に覆い被さる陽生のキスから逃れようと必死だった


さすがの私ももう限界!


陽生によって与えられる尋常じゃない刺激と、息苦しさで変になりそうで


おまけに、暖房と2人の上昇する高い体温で車の中は異常な暑さが充満して、体が汗ばむほど


『はる…ちょ…もうむり……』


私はキスの合い間に必死に陽生に訴えかける


力の入らない手で陽生の胸を押し返そうと手を伸ばす


だけど…



『もうちょっと…』



全く、びくともしない


そんな私に構うことなくさらに陽生は味わうように熱く唇を重ねてくる


もう、一体どうしちゃったっていうの!?


私は訳が分からないまま、陽生のキスをただ受け止め続けるしかなくて……



『かほ……
俺の名前もっと呼んで…』


『んっ…』



キスの合い間に陽生が熱を帯びた色っぽい声で、私に囁きかける


その声に、ドクンッと思わず鼓動が高鳴る


『…やっ、むり…』


私は陽生のそんなキスを受け止めながら言葉ににならない声で必死に返した


それでも


『言って…』


『……』


拒否したいのに、陽生に優しく髪を撫でられて


陽生の真剣な声に、何故か私は拒む事が出来なくなり、気づいた時には陽生の言うままに口を開いていた


『…はる…き?』


『ん、もう一回』



『陽生』