甘い体温



『なんちゅう顔してんだよ…』


私の曇らせた表情を見るなり、私の頭をくしゃっと撫でた陽生


『……』


さすがの私も今回ばかりは申し訳なさで表情が曇る


『別にお前が気にする事じゃない』


『でも…』


『俺が自分の意思で勝手に判断したことだ、だから別に果歩のせいじゃないから安心しろ

それに、うちの病院にはもう一人ドクターがいるし、その人に俺の担当の患者も頼んできたから、特に問題はないから……それより、そんなことよりも……』


陽生は何故か言葉をため、私を真っ直ぐ見つめた


そして、突然私の肩を引き寄せたと思ったら



『果歩の方が大事だよ』



『えっ』


『お前の方がよっぽど大事だよ…お前から電話きた時まじで心臓止まるかと思ったんだからな』


『……』


『本当、無事で良かった…はぁ〜あんまり心配かけさせんなよ…』



陽生はそう言うと、私の額に自分の額を切なそうにくっ付けた



『はるき……』



そんな陽生の声に、どうしてか胸が急に締め付けられて、私も切なくなった


心が痛くなって、それを隠すようにそっと瞼を伏せた



『陽生ごめ……』



申し訳なく口を開きかけたその時、それを阻止するかのように、陽生の一指し指が私の唇に押し当てられた



『謝るぐらいならキスして』