甘い体温


『どうしたんだよ!?大丈夫か?』


私は心配そうに顔を覗きこむ陽生の腕を掴むと、顔を上げた



『いないの!!ブラウンがいない』



私は震えた声で陽生に訴えかけると、ギュッと服を握り締めた


『え、ブラウン??』


『どうしよう…私のせいなの、ねぇ!どうしよう!?』


『ちょっ!ちょっと待て、果歩おち着けって!ちゃんと分かるように説明しろ!!』


陽生は訳がわからないという顔で私をなだめる


それでも私は自分を忘れて取り乱していた


けれどそんな時…


―――ガサガサ


ベッドの下から突然音が聞こえ、その方向に顔を向けると、何かが勢いよく走って来るのが見えた


あ……


はっと気づいた私はすぐさまその方向に駆け寄った



『ブラウン!!』



目の前には元気よく、私の元に走ってくるブラウンの姿があって


私の胸に勢い良く飛び込んできたブラウンを力一杯抱きしめた



抱きしめた瞬間、嬉しさのあまりブラウンの小さな体に私は顔をくっ付ける



良かった……



どうやらベッドの下に潜り込んでいたみたいで、どこも怪我はなく、無事だった



本当に良かった



私は「ごめん」と何度も誤ると、ブラウンを抱きかかえたままその場に座り込んだ