甘い体温


ケータイのコール音がやけに長く感じる


お願い早く出て!!


もう、わらにでもすがる思いだった


…そして……



『…はい』


何回目かのコールの後、ようやく電話が繋がった


『あ……』


それなのに


話したいのに口は動くのに


何故か声が震えて言葉にならない


手からは嫌な汗がにじみ出る




『……果歩?』



けれどそんな私の耳に聞こえた陽生の声


不思議そうな陽生の声に、少しだけ目の前が明るくなった気がした



……陽生



この声を聞いたとたん、私は無性に陽生に会いたくなった


とてつもなくこの声にすがりたくなった



『おい、何かあったのか?』


『……けて』


『えっ』


『はる…助けて……』


『え、なに?聞えな……』




『陽生助けて!!』




お願い助けて!!


もう夢中だった


怖くて、怖くて、たまらなくて


私は無我夢中で陽生に助けを求めた


もう何も考えられなくて、ただただ何度も壊れそうな声で陽生の名前を呼んでいた