甘い体温


『えっ』


扉を開けた瞬間、目に飛び込んできた光景に、思わず私は息を呑んだ



……なに、これ?



ドクン、ドクン



目の前の光景に疑いながら、私は体の血の気が一気に下がっていくのを感じた


ここは2階で、安心してた私がバカだった!


部屋を見渡した先には、ベランダの窓ガラスは割られ、床にガラスの破片が散らばっていて、たんすはぐじゃぐじゃ、服などいろんなものが散乱していた


見るも無残な形を変えた部屋の中の光景に、思わず足がすくむ



……うそでしょ!?



放心状態になった私は、それでも恐る恐る部屋の中に一歩足を踏み入れた



――ガタン!



だけどその時、突然部屋の奥の方から聞えた物音に、一瞬で私の背筋が凍った



――中にまだ誰か居る?



直感的にそう感じた私は



やだ


怖い!



この時初めて人知れぬ恐怖を感じた


怖さと恐怖で、一気に体全体が震えだす


今まで感じた事のないあまりの恐怖に、私は体がすくんで動けなくなってしまった


「逃げなきゃ逃げなきゃ」と頭では分かっているのに、体が言うことを利かない!


人間、本当の恐怖を感じるとこんなにも頭が真っ白になって、何も出来なくなるものなの?



ガタ、ガタン!!



すると再び奥の方から鈍い物音が聞えてきて、誰かがこっちに近づいてくる気配を感じた