甘い体温


突然名前を言われ、驚いて一歩後ろに身を退いた私


『何で…』


何で私の名前知ってんの?


誰だよこいつ


一緒のクラスにもなった事なければ、初めて見る顔なんだけど?



『あんた誰?』



私は少し真顔で問いかける


『あ、ごめんねぇ、私4組の後藤って言うんだけど!私その……
三月さんのファンなの!!』


『…は?』



今なんて??



あまりに唐突に向けられた言葉に、口を開けたまま呆気に取られてしまう


『きゃー本物本物だぁ♪』


そんな私に構うことなく、何故か目の前の女、後藤は目を輝かせてキャーキャー言いながら私の手を取って、ぶんぶん上下に振ってくる


『……』


完全に思考が停止した私は、目の前の後藤とか言う女のなすがまま


そしてひとしきり私の手を振った後、後藤は私の手を離すとキラキラした笑顔を私に向けてこう言った


『またね三月さん、今度会ったら一緒に写真撮ってね♪』


『はぁ?』



そして「じゃあね」と思いっきり私に手を振りながら、女はあっと言う間に去って行ってしまった


一人取り残された私は


なんだったの今のは?


なんなのよあいつは?


訳が分からないまま、そんな彼女の後ろ姿をボーぜんと立ち尽くしてただ眺めていた