甘い体温


『何も言わず私に背を向けて、そのままこの部屋から出てって』


顔を見られないようにするにはこうするしかない


考えた挙句、私は陽生にそう言った


『は?なんで?』


だけどそんな私に陽生は不思議そうな声を出す


『いいから早く!!』


それでも構わず私は、少し苛立ち気味に声を向けた


『…ふ~ん…なるほどね、はいはい』


そんな私を陽生は暫く黙って見てたけど


でもすぐに何か気づいたのか、陽生は納得したように、私の頭をぽんぽん叩き始めた


『果歩も意外と可愛いところがあるのな』


う……


『もう!いいから早く!!』


『はいはい、しょうがないな~』


そう言って、意外と素直に私から腕を放し私に背を向けた陽生


なんだ、たまにはちゃんと話し通じるじゃない


そう思いながら私はそっと顔を上げた



でもその瞬間――…




『はい!隙あり♪』


『へっ』



私は待ってましたかのようにまた、陽生に顔を両手で挟まれてしまった