空回りアイラブユー【完】



「夕日。」




困ったように近づいてくる朝丘にハッとする。



私が悪いのに、これは完全なる逆ギレだ。




まずは謝りたかったのにっ。素直にならないとっ。




「あとっ、傷つけて…ごめんなさい。」




朝丘の目をみて言葉を紡いで、深々とお辞儀をする。




やっと、ちゃんと言いたいこと言えた。




許してもらえないかもしれない、もう朝丘は私のこと好きじゃないかもしれない。




「本当?」



どことなく明るくなった朝丘の顔色。



「…何が?」




「俺のこと好きなの?」




「…うん。好き。もしかして、朝丘はもう好きじゃなくなっちゃった?」




もしそうだとしても、私は朝丘を追いかけるよ。


そんな簡単に諦めてやんないよ。



「そんなわけねぇじゃん。諦められなくてどうしようかと思ってた。」



困ったように恥ずかしそうにいう朝丘が、どうにも愛おしい。