どうして、なんで。
分かってる自分勝手だって。
私がもっとちゃんと素直に気持ちをいえていればこんなところ見なくて済んだのに。
朝丘が断ってたのも、勝手に抱きつかれたのも全部分かってる。
でも、どうしても辛い。
こんなわがままな自分が嫌になる。
「夕日!待って!」
必死に呼び止める声。
どれだけ一生懸命に走っても、足の長さが違い過ぎてすぐに当たり前に追いつかれてしまう。
「やだっ、」
パシッーーー
ついに捕まった。
「なんで、泣いてっ」
知らない間に、溢れ出ていた涙をみてびっくりする朝丘。
ぽたっと廊下に涙が落ちる音がする。
「…気のせいだよっ」
「そんなわけないじゃん。なんで?」
なんで、私の心配なんて。
「朝丘こそ、なんで追いかけてきたのっ…?」
その質問に、朝丘が動揺するのが分かった。
「…それは、」
「わ、私のこともう好きじゃなくなっちゃうんでしょっ?」



