それから数日後の放課後。
学校を出た瞬間気づいた、英語の課題が出てたってこと。
忘れてた教科書を取りに急いで、教室へ戻る。
「あ、」
教室の中から聞こえてくる声。
見えた姿、その男女の姿に、身体が硬直する。
「私、朝丘くんのことが好きっ。」
…朝丘が告白されてる。
よく告白された話は聞いてたけど、こうして実際に見るのは初めて。
向かい合う2人。朝丘はこっちの方を向いていて、女の子は朝丘の方を向いているから表情は見えない。
朝丘にバレないように、そっと身を縮める。
「ごめん…」
朝丘の困ったような小さな声が聞こえる。
「ちょっ、」
朝丘の焦ったような声に、目を向けると、
女の子に抱きしめられて、戸惑っている朝丘の姿。
魔法にかけられたように目が逸らせないでいると、とうとう朝丘と目が合った。
「っ、」
その瞬間、魔法が解けたように勝手に身体が動いて、廊下を走る。
「夕日っ!!」
朝丘が私を呼ぶ声。



