時に激しく深く、時に溶けてしまいそうなほど優しく、何度も唇を重ねて吐息を交わし、唇が痺れて感覚がなくなるほどキスの手ほどきを受けた。

(隼人さんにされた時は吐き気がするほど気持ち悪かったのに、彗さんとのキスは蕩けそうなくらい気持ちいい……)

次第に息継ぎにも慣れ、解放された頃には羽海の瞳は潤み、身体の奥がじんと疼いた。

「あ……」

この感覚は、一度だけ彗に抱かれたあの夜と同じ。羽海の意思とは関係なく、身体が彗を受け入れたがって準備を始めている。

自分の身体の反応が信じられず恥ずかしさに俯くと、それを察した彗が顔を覗き込んでくる。

「なに、キスだけで感じた?」
「な……っ」

わざわざ言葉にする意地の悪さに真っ赤な顔で反論しようとすると、宥めるようにぽんぽんと頭を撫でられた。

「いいんだよ、それで。そうなるよう、この一ヶ月ずっと待ってたんだ。……まぁ、あと一年待つことになりそうだが」
「え? どういう意味ですか?」
「……開発しがいがあるって意味」
「開発?」

笑いながら髪を梳かれるが、羽海は意味がわからず首をかしげる。

しかし結局それ以上教えてもらえず、彗はあっさりと話題を変えてしまった。