「信じます」
「羽海」
「五日間も避け続けてすみませんでした。隼人さんから話を聞かされた時は動転していて、きちんと彗さんの話を聞けなかった。彗さんを信じたいと思うのに、どうしても自分に自信がなくてネガティブなことしか浮かばなかったし……妊娠したのが隼人さんから伝わったって知って、どう思われたのかと考えると怖かった」

この数日間の自分の感情をありのまま伝えると、添えていた手を彗がぎゅっと握り返してくれる。

「俺の子だろ」
「信じてくれるんですか? 隼人さんも自分の子だと主張したって……」
「疑ったことなんてない。お前にとっての男は、俺が最初で最後に決まってる」

自信満々に言い切る彗が不遜に笑う。

俺様な態度に、こんなにも安心させられる日がくるなんて思わなかった。

羽海はお腹に手を当て、恐る恐る上目遣いに彗を見上げた。

「この子のこと……喜んでくれますか?」
「嬉しくないはずがない。ありがとう、羽海」

ふわりと肩を抱き寄せられると、自分だけでなく、お腹の子供ごと包み込まれている気分になる。

妊娠の喜びや不安を共有したいと考えていたが、まさか感謝してもらえるとは思わなかった。