天才ドクターは懐妊花嫁を滴る溺愛で抱き囲う


可愛らしいペンギンを堪能したあとは、館内にあるレストランでランチを取り、水族館の一番の見所である巨大なドーム型の水槽へ向かった。

水槽の上部から自然の光が降り注ぎ、まるで海底を散策しているように魚やイルカを見ることができる。

有名なレジャースポットだけあってカップルや家族連れなど多くの人で賑わっているが、どこにいても彗は人の目を惹くらしく、隣にいる羽海まで注目されて落ち着かない。

(水槽そっちのけで先生に見惚れてる女の子もいるし、男性までこっちを見てる気がする。こんなに注目されてても全く気にする素振りがないなんて、さすがというか、慣れてるというか……)

周囲からの視線が気になり落ち着かない羽海の手をくいくいっと二回引き、彗が顔を寄せてきた。

「あれ、羽海にそっくり」

大きな声を出せない場所なので自然と顔が近くなる。

頬に感じる彗の吐息が擽ったくて、きゅっと肩が強張った。

「ど、どれですか?」
「あのエイ」

にへっと笑っているように見えるエイの裏側を彗が指差すと、羽海の肩から力が抜けた。