合わせた白いフレアスカートは、ウエストがタイトな作りだが、裾にむかってふんわりと広がる綺麗なシルエットが特徴で、ブラウスをインして着ると随分スタイルがよく見える。
足元はストラップ付きのサンダルを履き、差し色に鮮やかなグリーンのカーディガンを肩から掛けた。
(いくらするんだろうって考えるのは野暮だけど、こんなコーディネート一式買ってもらっていいのかな)
着替えたものの戸惑う羽海をよそに、スタッフの女性が「ヘアメイクも少しだけ失礼しますね」と下ろしていた髪の毛先を軽く巻き、トップを編み込んで緩いハーフアップに仕上げる。
さらに目元とリップの色味を黒のトップスに合うように変えてもらうと、まるで別人のように垢抜けた羽海が鏡に映った。
(凄い、なんだか私じゃないみたい。これなら御剣先生の隣を歩いても許される……かな?)
おそるおそるフィッティングルームのカーテンを開けると、ソファで紅茶を飲んでいた彗と目が合う。
いつの間にか彼の向かいに黒服の女性がもうひとりいたが、羽海についてくれていたスタッフと目配せし、「後ほどお伺いいたします」と部屋を出ていった。
その間、瞬きもせずにじっと見つめられ、居心地の悪さに顔を背けたくなる。
「先生?」
「……悪い。あまりに印象が変わったから驚いた」
「変、ですか?」
「自分で鏡を見ただろう。似合ってるし……綺麗だ」



