「自分が駄目だと思ったら、とことん落ちればいい」
「そんな・・・・・・」
とことん落ちればいいなんて言われても・・・・・・。
「人は、何故落ちるのか。分かるか? 底から、また這い上がるためだ」
「底から、また這い上がる・・・・・・」
「そう。落ちるからこそ、底から這い上がる。後悔して、反省して、苦しんで。そこで、何かを感じて掴む。それを繰り返してこそ、人はまた這い上がれる。何も考えず、悩みもせず楽をして暮らしていても、そこからは何も生まれない。何一つ得るものも無い。だからこそ、落ちる時は落ちた方がいい。最も、落ちるだの、落ちただのと判断出来るうちは、まだ余裕がある証拠だ。本当にどん底に落ちた時は、それすら気づきもせず、もがき苦しんでいる最中だからな」
高橋さん・・・・・・。
「目の前に、自分の身長よりも遥かに高い壁があって、その壁をよじ登って向こう側に行かなければならない時、お前ならどうする?」
どうするだろう?
「周りに何か台になるようなものがないか、探すと思います」
「それだよ」
「えっ?」
「とにかく壁を越えようと、無意識に何かを探そうとするだろう? たとえ些細なことでも、考える。それは即ち、何かを得ようと努力すること。労せずして何かを得たとしても、その時はいいが、後にまた同じことに躓く。自分の力で得たものは、後に必ず生きてくる」
高橋さんが話してくれていることは、よく分かる。でも・・・・・・。
「でも、私・・・・・・いつも後悔してばかりで。それに、何をやっても進歩がなくて、時間ばかり掛かってしまって……その繰り返しで。それが嫌なんです。分かっていてもそれが出来なくて、1つのことに拘って何も手につかなくなったり・・・・・・。本当に、知らないことばかりで・・・・・・」
「知らないことばかり?」
ハッ!
それは、今は関係なかった。高橋さんのこと、知らないことばかりだから、つい口走ってしまった。
「ああ。あ、あの、知らないことばかりっていうのは、その・・・・・・」
「かおりのことか?」
「それも、そうですけれど・・・・・・あっ!」
「フッ・・・・・・」
うわっ。
誘導尋問に引っ掛かっちゃった。
どうしよう。ばれてしまった。
もしかして、何もかも高橋さんにはお見通しなの?
「俺だって、知らないことばかりだぞ」
エッ・・・・・・。
「そんな・・・・・・」
とことん落ちればいいなんて言われても・・・・・・。
「人は、何故落ちるのか。分かるか? 底から、また這い上がるためだ」
「底から、また這い上がる・・・・・・」
「そう。落ちるからこそ、底から這い上がる。後悔して、反省して、苦しんで。そこで、何かを感じて掴む。それを繰り返してこそ、人はまた這い上がれる。何も考えず、悩みもせず楽をして暮らしていても、そこからは何も生まれない。何一つ得るものも無い。だからこそ、落ちる時は落ちた方がいい。最も、落ちるだの、落ちただのと判断出来るうちは、まだ余裕がある証拠だ。本当にどん底に落ちた時は、それすら気づきもせず、もがき苦しんでいる最中だからな」
高橋さん・・・・・・。
「目の前に、自分の身長よりも遥かに高い壁があって、その壁をよじ登って向こう側に行かなければならない時、お前ならどうする?」
どうするだろう?
「周りに何か台になるようなものがないか、探すと思います」
「それだよ」
「えっ?」
「とにかく壁を越えようと、無意識に何かを探そうとするだろう? たとえ些細なことでも、考える。それは即ち、何かを得ようと努力すること。労せずして何かを得たとしても、その時はいいが、後にまた同じことに躓く。自分の力で得たものは、後に必ず生きてくる」
高橋さんが話してくれていることは、よく分かる。でも・・・・・・。
「でも、私・・・・・・いつも後悔してばかりで。それに、何をやっても進歩がなくて、時間ばかり掛かってしまって……その繰り返しで。それが嫌なんです。分かっていてもそれが出来なくて、1つのことに拘って何も手につかなくなったり・・・・・・。本当に、知らないことばかりで・・・・・・」
「知らないことばかり?」
ハッ!
それは、今は関係なかった。高橋さんのこと、知らないことばかりだから、つい口走ってしまった。
「ああ。あ、あの、知らないことばかりっていうのは、その・・・・・・」
「かおりのことか?」
「それも、そうですけれど・・・・・・あっ!」
「フッ・・・・・・」
うわっ。
誘導尋問に引っ掛かっちゃった。
どうしよう。ばれてしまった。
もしかして、何もかも高橋さんにはお見通しなの?
「俺だって、知らないことばかりだぞ」
エッ・・・・・・。

