「育った環境も違えば、考え方だって違う。だけど、それって仕事に国は関係ないっていうのと一緒じゃない? 目的は1つ。会社の利益を上げられるか、どうかってこと。だから、こんなまだ就業時間前なのに支社長も貴博もお互い話を始めてるんじゃないの?」
「それは、そうですけど……」
「大丈夫。貴博を信頼して待ってればいいのよ。それより、陽子ちゃん」
「は、はい」
「週末、貴博と3人で食事に行きましょう」
エッ……。
3人で……って……。
山本さんと3人で食事に?
「貴博には、私から話しておくから心配しないで」
「あ、あの……」
山本さんは、そう言って私の右肩を叩くと行ってしまった。
週末に、高橋さんと山本さんと3人で食事に……。想像しただけで、既に憂鬱で気が進まない。
あっ……。
それに、週末は高橋さんにアウトレットに連れて行ってもらう約束になっていたのに。山本さんと食事に行くことになれば、アウトレットに行くのはきっと中止になってしまう。
「そんなに書類を強く抱きしめたら、書類の文字達が苦しんじゃうよ?」
エッ……。
「その文字も、記載されていることで活きているんだからさ。それに、さっき高橋さんも言ってたけど、データは大事だからね」
「す、すみません。申し訳ありません」
「ハハッ……。そんなに謝らなくていいって。それと、かおりのことはあまり気にしない方がいいよ。大丈夫だから。さあ、仕事、仕事」
「えっ? そ、そんな、あの……」
太田さんは、そのまま席に着いてしまったので、仕方なく書類を高橋さんが戻ってきたら直ぐに見られるように、日にちの古い順に並べ替える作業に取り掛かった。
しかし、書類を並べ替えながらも、頭の中では山本さんと週末、食事に行くことばかり考えてしまい、高橋さんは山本さんに何と返事をするのかも気になって仕方がなかった。
土曜日に山本さんと食事に行くことになれば、日曜日はアウトレットに行かれるとか、もし日曜日に山本さんと食事に行くのならば、土曜日はアウトレットに行かれる等、1人で週末の計画を、ちゃっかり勝手に想像して立てている。
でも、高橋さんは山本さんにもしかしたら断ってくれるかも……ない、ない。高橋さんのことだもの、きっと山本さんの誘いに応えるはず。
「はぁ……」
「何、朝から溜息なんかついてるんだ?」
エッ……。
顔を上げると、高橋さんが立っていた。
「それは、そうですけど……」
「大丈夫。貴博を信頼して待ってればいいのよ。それより、陽子ちゃん」
「は、はい」
「週末、貴博と3人で食事に行きましょう」
エッ……。
3人で……って……。
山本さんと3人で食事に?
「貴博には、私から話しておくから心配しないで」
「あ、あの……」
山本さんは、そう言って私の右肩を叩くと行ってしまった。
週末に、高橋さんと山本さんと3人で食事に……。想像しただけで、既に憂鬱で気が進まない。
あっ……。
それに、週末は高橋さんにアウトレットに連れて行ってもらう約束になっていたのに。山本さんと食事に行くことになれば、アウトレットに行くのはきっと中止になってしまう。
「そんなに書類を強く抱きしめたら、書類の文字達が苦しんじゃうよ?」
エッ……。
「その文字も、記載されていることで活きているんだからさ。それに、さっき高橋さんも言ってたけど、データは大事だからね」
「す、すみません。申し訳ありません」
「ハハッ……。そんなに謝らなくていいって。それと、かおりのことはあまり気にしない方がいいよ。大丈夫だから。さあ、仕事、仕事」
「えっ? そ、そんな、あの……」
太田さんは、そのまま席に着いてしまったので、仕方なく書類を高橋さんが戻ってきたら直ぐに見られるように、日にちの古い順に並べ替える作業に取り掛かった。
しかし、書類を並べ替えながらも、頭の中では山本さんと週末、食事に行くことばかり考えてしまい、高橋さんは山本さんに何と返事をするのかも気になって仕方がなかった。
土曜日に山本さんと食事に行くことになれば、日曜日はアウトレットに行かれるとか、もし日曜日に山本さんと食事に行くのならば、土曜日はアウトレットに行かれる等、1人で週末の計画を、ちゃっかり勝手に想像して立てている。
でも、高橋さんは山本さんにもしかしたら断ってくれるかも……ない、ない。高橋さんのことだもの、きっと山本さんの誘いに応えるはず。
「はぁ……」
「何、朝から溜息なんかついてるんだ?」
エッ……。
顔を上げると、高橋さんが立っていた。

