「そうなんですか。それなら、やっぱり買いたいです」
「でも、お土産にするならプロパーショップの方がいいんじゃないのか? ボックスにも入っているし、ショッピングバッグに入れてくれるし」
「でもお土産じゃなくて、私が欲し……あっ……」
「何? お前が使うの?」
最悪だ。
咄嗟に口走ってしまい、高橋さんにバレてしまった。
バツが悪くて黙ったまま頷くと高橋さんはジッと私の顔を見ていたが、何かを思い出したのか、通りかかったショップの店員に尋ねていた。
「行こう」
「えっ? あの、でも……」
「それなら、お前にピッタリのものがある」
私に、ピッタリのもの?
高橋さんは、本来のアウトレットモールはもっとスペースが広いと言っていたけれど、此処のショッピングモールもかなり広くて、ショップに着いた時にはもうかなり足の裏が痛くなってきていた。
「俺は入れないから、ショップに入って香りを体験してきてごらん」
「えっ? 何で高橋さんは、入れないんですか?」
「いいから、早く行ってきてごらん」
「えっ? あっ、でも……」
高橋さんに背中を押されるようにしてショップの中に入ると、先ほどのショップとはまた違う、良い香りがしていた。
「Hello」
いきなり店員に挨拶をされて、焦ってお辞儀をしてしまった。
日本には入ってきていないブランドみたいで、陳列してある服もとてもカラフルなものからモノトーンのものまであったが、先ほどのショップと違ってインティメイトも取り扱っていた。だから、高橋さん。ショップに入れないと……。
服も私好みのものがあったのでゆっくり見たかったが、やはり高橋さんと一緒じゃないので不安になり、直ぐにショップから出て来てしまった。
「もう、戻ってきちゃったのか?」
「は、はい。凄く素敵なショップでした」
「どうだった?」
「えっ?」
「か・お・り」
そう言って、高橋さんは私の頭の上に人差し指で言葉に合わせながら調子を取った。
「はい。とても良い香りでした」
「そう。それなら良かった。今日はもう時間がないから無理だが、週末にまたゆっくり来よう」
エッ……。
「あの、週末はアウトレットに行くんじゃ……」
「アウトレットも行くが、このブランドのショップは価格帯もそう高くないし、アウトレット以外でも至る所にあるから、その途中でも後でも行かれるだろう?」
「そ、そうなんですね」
良かった。アウトレットに連れて行ってもらえるという楽しみが頭にあったからちょっと不安になってしまったが、高橋さんが忘れるはずもなく……。
「フッ……。お前、そんなにアウトレットに行きたいのか?」
「勿論ですよ! だって、スペースも価格もスケールが日本と全然違うと聞いたので、1度は絶対行ってみたかったんです」
「ハハッ……。これじゃ、仕事がメインなんだか、アウトレットがメインなんだか、分からないな」
ハッ!
「そ、そんな……仕事に決まってるじゃないですか」
「いいから、いいから」
「良くないです。高橋さん。勘違いされないで下さいね。あくまでも、仕事で来ているんですから!」
「へえ、そうなんだ。初めて知った」
「高橋さん!」
「はい」
うっ。
いきなりそんな真顔で返事をされても……」
「フッ……。言葉に詰まるってことは、やっぱりお前、アウトレットツアーだったんだな」
「ち、違います。アウトレットツアーって……」
そんな言い合いをしながら駐車場に戻って車に乗って一旦ホテルに戻り、着替えをしてから迎えの車を待った。
「でも、お土産にするならプロパーショップの方がいいんじゃないのか? ボックスにも入っているし、ショッピングバッグに入れてくれるし」
「でもお土産じゃなくて、私が欲し……あっ……」
「何? お前が使うの?」
最悪だ。
咄嗟に口走ってしまい、高橋さんにバレてしまった。
バツが悪くて黙ったまま頷くと高橋さんはジッと私の顔を見ていたが、何かを思い出したのか、通りかかったショップの店員に尋ねていた。
「行こう」
「えっ? あの、でも……」
「それなら、お前にピッタリのものがある」
私に、ピッタリのもの?
高橋さんは、本来のアウトレットモールはもっとスペースが広いと言っていたけれど、此処のショッピングモールもかなり広くて、ショップに着いた時にはもうかなり足の裏が痛くなってきていた。
「俺は入れないから、ショップに入って香りを体験してきてごらん」
「えっ? 何で高橋さんは、入れないんですか?」
「いいから、早く行ってきてごらん」
「えっ? あっ、でも……」
高橋さんに背中を押されるようにしてショップの中に入ると、先ほどのショップとはまた違う、良い香りがしていた。
「Hello」
いきなり店員に挨拶をされて、焦ってお辞儀をしてしまった。
日本には入ってきていないブランドみたいで、陳列してある服もとてもカラフルなものからモノトーンのものまであったが、先ほどのショップと違ってインティメイトも取り扱っていた。だから、高橋さん。ショップに入れないと……。
服も私好みのものがあったのでゆっくり見たかったが、やはり高橋さんと一緒じゃないので不安になり、直ぐにショップから出て来てしまった。
「もう、戻ってきちゃったのか?」
「は、はい。凄く素敵なショップでした」
「どうだった?」
「えっ?」
「か・お・り」
そう言って、高橋さんは私の頭の上に人差し指で言葉に合わせながら調子を取った。
「はい。とても良い香りでした」
「そう。それなら良かった。今日はもう時間がないから無理だが、週末にまたゆっくり来よう」
エッ……。
「あの、週末はアウトレットに行くんじゃ……」
「アウトレットも行くが、このブランドのショップは価格帯もそう高くないし、アウトレット以外でも至る所にあるから、その途中でも後でも行かれるだろう?」
「そ、そうなんですね」
良かった。アウトレットに連れて行ってもらえるという楽しみが頭にあったからちょっと不安になってしまったが、高橋さんが忘れるはずもなく……。
「フッ……。お前、そんなにアウトレットに行きたいのか?」
「勿論ですよ! だって、スペースも価格もスケールが日本と全然違うと聞いたので、1度は絶対行ってみたかったんです」
「ハハッ……。これじゃ、仕事がメインなんだか、アウトレットがメインなんだか、分からないな」
ハッ!
「そ、そんな……仕事に決まってるじゃないですか」
「いいから、いいから」
「良くないです。高橋さん。勘違いされないで下さいね。あくまでも、仕事で来ているんですから!」
「へえ、そうなんだ。初めて知った」
「高橋さん!」
「はい」
うっ。
いきなりそんな真顔で返事をされても……」
「フッ……。言葉に詰まるってことは、やっぱりお前、アウトレットツアーだったんだな」
「ち、違います。アウトレットツアーって……」
そんな言い合いをしながら駐車場に戻って車に乗って一旦ホテルに戻り、着替えをしてから迎えの車を待った。

