エッ……。
パニック状態に陥って泣き叫んでいたが、暗闇の中でその声を聞いて涙でよく見えない目を凝らしながら見ると、目の前にジョギングウエア姿の高橋さんが立って居た。
聞き覚えのあるその声と姿を目にした途端、一気に力が抜けて床に額を付けながら伏せてしまった。
「お前、大丈夫か?」
放心状態だったが、我に返って顔を上げると高橋さんが心配そうな表情で私の顔を覗き込んでいた。
「高橋さん。私……」
怖さと安堵感が入り交じって、思いっきり高橋さんに抱きついてしまった。
「朝っぱらから、何で泣いているんだ? そんなに抱きついたら、きっと汗臭いぞ」
きっと汗臭い?
今、そんなことはどうでも良かった。
「いったい、どうしたんだ? 俺の部屋で、何をしてるんだ?」
「だって……いきなり誰かがドアの鍵を開ける音がして……それで、怖くなって私……高橋さん。電気が点いていたから……シャワーを浴びているとばっかり……だから、誰か入ってきたと思って私……」
泣きながら説明しているので、思うように言葉にならない。
「暗いから、バスルームの電気は点けていったんだ」
「そんなの……そんなの知らない……知らなかったから、私……ううっ……」
体が震えて、涙が止まらない。
「分かった。もう大丈夫だから、落ち着け」
高橋さんは、そう言いながら私が落ち着くまで優しく頭を撫でてくれていた。そして、少し落ち着いたところで私の手を引いてリビングまで連れて行きソファーに座らせると、 『ちょっと、待ってろ』 と言ってキッチンに向かい、出来たばかりのコーヒーを入れてカップを手に戻ってきた。
「コーヒーでも飲んで、少しリラックスした方がいい」
頷きながらカップを受け取ると、高橋さんはまた何処かに行こうとした。
「ど、何処に行くんですか?」
1人にされたら……と思うと、また不安に駆られ、思わず高橋さんの袖を掴んだ。
「はぁ……汗臭いからシャワーを浴びたいんだが。フッ……それともお前、一緒に来て背中でも流してくれるのか?」
ハッ?
見上げると、高橋さんが思いっきり悪戯っぽく笑いながらこちらを見ている。
一緒に……背中でも流して……なんて、冗談じゃない。
「な、何を言ってるんですか!」
「ハハハッ……。ちょっと、待ってろ。直ぐに戻るから」
高橋さんは、首もとに巻いていたタオルと取ると、それを振り回しながら部屋の中へと消えていった。
はぁ……。どっと疲れが出た感じだったが、それでも勘違いだったのでホッとした。
高橋さんが持ってきてくれたコーヒーを飲んで少し落ち着いてくると、ふとあることに気づき、慌てて自分の部屋に戻って鏡の前に立った。
パニック状態に陥って泣き叫んでいたが、暗闇の中でその声を聞いて涙でよく見えない目を凝らしながら見ると、目の前にジョギングウエア姿の高橋さんが立って居た。
聞き覚えのあるその声と姿を目にした途端、一気に力が抜けて床に額を付けながら伏せてしまった。
「お前、大丈夫か?」
放心状態だったが、我に返って顔を上げると高橋さんが心配そうな表情で私の顔を覗き込んでいた。
「高橋さん。私……」
怖さと安堵感が入り交じって、思いっきり高橋さんに抱きついてしまった。
「朝っぱらから、何で泣いているんだ? そんなに抱きついたら、きっと汗臭いぞ」
きっと汗臭い?
今、そんなことはどうでも良かった。
「いったい、どうしたんだ? 俺の部屋で、何をしてるんだ?」
「だって……いきなり誰かがドアの鍵を開ける音がして……それで、怖くなって私……高橋さん。電気が点いていたから……シャワーを浴びているとばっかり……だから、誰か入ってきたと思って私……」
泣きながら説明しているので、思うように言葉にならない。
「暗いから、バスルームの電気は点けていったんだ」
「そんなの……そんなの知らない……知らなかったから、私……ううっ……」
体が震えて、涙が止まらない。
「分かった。もう大丈夫だから、落ち着け」
高橋さんは、そう言いながら私が落ち着くまで優しく頭を撫でてくれていた。そして、少し落ち着いたところで私の手を引いてリビングまで連れて行きソファーに座らせると、 『ちょっと、待ってろ』 と言ってキッチンに向かい、出来たばかりのコーヒーを入れてカップを手に戻ってきた。
「コーヒーでも飲んで、少しリラックスした方がいい」
頷きながらカップを受け取ると、高橋さんはまた何処かに行こうとした。
「ど、何処に行くんですか?」
1人にされたら……と思うと、また不安に駆られ、思わず高橋さんの袖を掴んだ。
「はぁ……汗臭いからシャワーを浴びたいんだが。フッ……それともお前、一緒に来て背中でも流してくれるのか?」
ハッ?
見上げると、高橋さんが思いっきり悪戯っぽく笑いながらこちらを見ている。
一緒に……背中でも流して……なんて、冗談じゃない。
「な、何を言ってるんですか!」
「ハハハッ……。ちょっと、待ってろ。直ぐに戻るから」
高橋さんは、首もとに巻いていたタオルと取ると、それを振り回しながら部屋の中へと消えていった。
はぁ……。どっと疲れが出た感じだったが、それでも勘違いだったのでホッとした。
高橋さんが持ってきてくれたコーヒーを飲んで少し落ち着いてくると、ふとあることに気づき、慌てて自分の部屋に戻って鏡の前に立った。

